博多織は、たくさんの経糸に、細い糸を数本まとめ合わせた太い緯糸を力強く打ち込んで作られる絹織物です。1976年に国の伝統的工芸品に指定。鎌倉時代、宋へ渡った聖一国師に同行した博多商人・満田彌三右衛門が、現地で習得した織物の技法を1241年の帰国後に、独自の意匠を加えて制作したものが博多織の起源と言われています。江戸時代には黒田長政が幕府への献上品として博多織を用い、その際の柄が後に「献上柄」として、博多織の代表的な柄となります。博多織はその製法からも「しなやかでありながら丈夫」なため、特に着物の「帯」としては国内屈指の評価を集めています。手織りで一本の帯を制作するには、一本の幅1mmにも満たない糸を10,000本以上も使い、期間にして通常で数ヶ月〜なかには半年程度かかるものも。制作にまつわる各工程が分業体制で、どの工程もきわめて精密で繊細な手の仕事によって支えられています。

博多人形は、粘土製の素焼き人形に細やかな後彩色をほどこした福岡県内で生産される土人形です。1976年に国の伝統的工芸品に指定。1600年、黒田長政による福岡城築城のために集められた様々な職人のなかの瓦職人が作り出した素焼き人形が、後の博多人形の原型となったといわれています。明治時代には、パリ万国博覧会で高い評価を受け、世界でも「博多人形」の名のもとに日本を代表する人形として海外への輸出も始まります。現在では80名近い作家が伝統を継承しながら、それぞれに独創的な作品を制作しつづけています。麗しい“はかた美人”をかたどった博多人形の代表格「美人物」をはじめ、凛々しくも勇壮な「武者物・男物」、舞台上の美しき一瞬を切り取る「能物・歌舞伎物」、日本古来の縁起と風習を伝える「干支物」「節句人形」など、様々な種類の人形が今なお作られつづけています。